こんにちは、マウンテンマンです。
「IT業界の病理学」を読みましたので、感想を記録したいと思います!
この本は、ソフトウェアの品質向上プラットフォームQbookで見かけたことがきっかけで手に取りました。
対象読者
本書を読むのに適した層は
IT業界に飛び込んで3~5年以内の若手
くらいなのではないかと思います。
1、2年目の若手ではまだ経験が浅く、書いてあることがピンとこないでしょう。
一方、5年以上経験している方であれば、おそらく本書に記載している内容を理解できると思います。
そうした方々で心配になるのは、本書の内容を「あるあるネタ」としてしか見れなくなっていることです。
「わかるけど、現場を変えるのは難しいよね~」
と最初から改善する気が起きないかもしれません。
そういうわけで、まだ業界に染まり切ってない経験年数5年目以前の若手にこそ向く本なのではないかと思います。
感想
本書の感想を述べていきますね。
IT業界のあるある
ほとんどの内容について、同意できる内容でした。
本書は、複数のITに通じる著者が記事を持ち寄ったオムニバス本です。豊富な経験を持つ方々のリアルな現場の問題を、病気に例えて、症状、治療法、予防法を提示してくれています。
おすすめする読者層を5年目くらいまでの若手、と言いましたが、私は経験年数15年以上のおじさんですから、分かりみは深かったです。
現場に対する影響力を持つことが必要
書かれている内容に同意はできるものの、提示されている治療法については、正直
「これが出来れば苦労はないよ・・・。」
と感じました。現場を変えるには、ある程度の影響力を持たなければ難しいです。(ユーザーに対しても、自分の組織に対しても)
改善案があるとしても、それをステークホルダーや現場のメンバーに理解してもらい、実践するためには、それなりの立場が必要だと感じました。
特に良かった点
特に良かったと感じた点です。
本に書かれているいくつかの症例は、薄々感じてはいましたが、
「何だかしっくりこないな・・・」
「無駄なことをやらされているな・・・」
「これ、意味あるのかな・・・?」
といった無意味感、やらされ感の正体が、的確に言語化されていたことです。
例えば、
プロジェクトのたびにテストケースが肥大化してしまうことやプロジェクト後にほとんど参照されないエビデンスを一生懸命取得し続けること・・・
これらの意味について細かく解説されているのは、とても興味深く、「そういうことだったのか!」と納得感が得られました。
最後に
本書で紹介されているIT業界の病巣は、小さいモノから大きいモノまで日本中で蔓延していると思います。
私が業界に入ってから、一部はマシになっているものもありますが、内容によっては悪化している気もします。世の中は常に前進しているため、現状維持はむしろ後退していると思います。
そのため、以下のようなことが大切になると思います。
- 自分の現場に対する影響力が小さいとしても、常に対策・改善を考え続けること
- 小さなことであれば、今すぐできることはあるはず。少しずつでも行動を起こすこと
努力を続けたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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