こんにちは。マウンテンマンです。
ITエンジニア本大賞2022に挙げられた本の1冊「マーケターのように生きろ」。
さっそく読んでみましたよ!
働くということには悩みがつきものですが、この悩みを解決するのに一つの指針を与えてくれている本のように感じました。本記事では、以下のような悩みを抱える方へ、本書をおすすめします。
- 自分のやりたいことが見つからない、分からない
- 会社の中で自分の立ち位置がわからない
- 行動と思考が一貫していない
どんな本でしょうか?
書籍情報
タイトル | マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
著者 | 井上大輔 |
定価 | \1,600+税 |
本書の表紙、大変目を引きますね。強い意志を感じる女性のイラスト。イラストレーターのあすぱらさんが手がけられています。通常の本は、カバーが1枚ですが、本書は、あすぱらさんの表紙の下にもう1枚表紙がついています。タイトルにマーケターとありますが、良く見られるビジネス書のような、文字多めの無機質な表紙を、女性のイラストにすることで、強く印象付けようとしたのでしょうか。感覚ですが、若いビジネスパーソンにも手に取ってもらえるよう狙ったのかもしれませんね。マーケティングってすごい。
著者:井上大輔氏
著者の井上大輔氏は、ソフトバンク株式会社コミュニケーション本部 メディア統括部長をされている方で、ミュージシャンを目指したものの挫折。その後、マーケティングの世界で頭角を現し、多くの有名企業で活躍されてきた方です。
たとえば、アウディジャパンでもマネージャーの経験があった著者。
Yahoo!ニュースとの企画で以下のようなディスカッションがあったようなのですが、その後、ヤフー株式会社にも移られたようです。
この企画がきっかけだとしたら、何とやりがいのある仕事人生でしょうか。憧れますね!
本の概要
本書では、「マーケターのように生きる」ことをすすめています。
マーケターとは何でしょう?
“マーケター”をインターネットで調べると
- 新たな価値を作る人
- 商品や売り上げに貢献する仕組みを作る業務を行う人
- 売り上げを作る人
さまざまな説明がなされていますね。私も本書を読むまでマーケティングやマーケターといった言葉を真剣に考えたことはありませんでした。
しかしよく考えてみれば、私が自分のITエンジニアとしての市場価値を高めるために努力すること、それこそ自分を売り込むためのマーケティングに他ならないことに気付きました。
ここで誤解があるかもしれませんが、自分の市場価値を高めることは、あくまでも自分本位の考えになっています。
マーケターが商品・サービスを売るプロセスは、自分のためではありません。商品を作ったメーカーであったり、サービスを展開したいクライアントのためです。つまり、「相手のために働く」ことを中心に据えているのが、マーケター、という仕事なのです。
マーケターのように生きるとは、自分にしか埋められない世界の欠けたピースを見つけていくこと。
引用:「マーケターのように生きろ」P20
自分のスキルを伸ばしていきたい…これについては、多くの人が持ち合わせている欲求です。しかし一方で、この手の欲求にはゴールがありません。どこまで行ったら満足するの?と聞きたくなりますね。
スキルアップだけに勤しみ、自己満足している。しかも、誰にも貢献できないようでは、働いている意味を見失ってしまいます。
働くことに意欲を失っている方、やりがいを失いかけている方、周りの方々の凄さに自信を失いかけている方。
そのような人々に、あなたにしかできないことがある、と鼓舞し、人に貢献していくことを説いている、本書はそういう本になっていると思います。
学びがあったポイント
本書を読んで学びがあったポイントは次の3点です。
- 迷ったら、最も貢献できる選択をする。
- 伝わっていない価値はないのと同じ。
- 自分の価値は、人に貢献することで高まる。
迷ったら、最も貢献できる選択をする。
人への貢献を第一とする生き方が「マーケターのように生きる」ことであると著者は言います。
それを実践しようとする人は、具体的にどうすればよいのか。それが次の言葉で示されます。
「誰に」「どう貢献するか」が定まらないうちは、シンプルに「貢献」を意識するだけでもかまいません。迷ったら少しでも多くの人に貢献できるほうを選べ、です。
引用:「マーケターのように生きろ」P206
人の成長には、“7・2・1の法則”があるそうです。経験が7、薫陶が2、研修・読書が1の割合となる、という調査統計の結果です。
貢献を意識した働き方をすると、「経験」を積んだうえで、先輩や上司からの薫陶を得やすくなる。それに加え、研修・読書で得た静的な学びが、動的な経験、助言、フィードバックと結びつき、成長が加速しやすい、ということが言えます。これは経験則として、非常に納得感がある主張です。
成長したいと思った時は、私は、とにかくどんな仕事もがむしゃらに頑張るしかない、と考えていました。著者の説明は、私の言語化できていなかった考え方を、明確に言語化してくれたと思います。成長は貢献によって加速される。
胸に刻みたいと思いました。
伝わっていない価値はないのと同じ。
自分を商品として、各方面に売り込もうとした場合、プロモーションが大切、ということが説明されています。どんなにすばらしい商品を開発しても、知られていなければ売れません。
いくらスキルがあっても、知られてなければ生かす場面は訪れない。
ブログを書いていても、読まれなければ価値はない。
当たり前のことですが、言われてみると、広く知られるための努力、できてないなと思います。広く宣伝することは”義務”ですらある、というのは非常に印象的でした。
広告・宣伝、自己アピールは、価値を提供する者の「義務」である。
引用:「マーケターのように生きろ」P226
自分の価値は、人に貢献することで高まる。
これは、個人的に最も胸に刺さりました。
スキルアップや自身の専門性を磨くことには本当に敏感な私なのですが、本来はこれらを駆使して人や社会に貢献することが目的だったはずです。
いつの間にか、資格などを取得することが目的になってはいませんか?
いつの間にか、プログラミングスキルを向上させることが目的になっていませんか?
いつの間にか…
仕事をする本来の目的は見つめなおすきっかけになりました。
現在、私は管理職ですので、本来ならば、自分のスキルアップより会社や組織への貢献を一番に考えなければいけない立場です。優先順位は間違えないようにしなければなりません。
最後に
本書は、基本的なマーケティングのアプローチにも触れていましたので、エンジニアとしてでなく、ブログ運営を行っている自分にとっても得るものがありました。
ブログで収益化を目指す場合、ターゲットを定めて、その方々へ向けて、役立つ情報(価値)を発信することが重要です。まさにマーケティングそのものですよね。
自分のエンジニアとしての価値、ブログで発信する価値を、どんなものにするのか。これを今一度見つめなおし、会社やブログ読者、そして、私に関わってくださる全ての方々に貢献したいと感じた1冊になりました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
以上です。
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