IT企業に勤めてるけど、資格を取れ取れって会社がしつこく迫ってくる。
そりゃあ、資格は持っていた方がいいと思うけど、なぜ、資格取得をした方がいいの?
こんな疑問にお答えします。
- IT資格を取得することで得られるメリット
- IT資格に意味を見出せない人へ、資格取得をおすすめする理由
- どうしても資格取得したくない人への情報提供
本記事を書く私は
- IT企業勤務17年で
- プログラマ~SEを長く経験し
- 現在、管理職として部下に資格取得を進めている立場
にあります。私が部下に話している内容をここで書き記し、皆様の背中を押すことができれば幸いです。
IT資格
IT業界における資格
“資格”という言葉の定義を確認しましょう。
資格(しかく、英: certification)とは、ある行為を行うために必要もしくは相応しいとされる地位や立場や、組織内での地位、または仕事として任務に就くために必要な条件のことである。 引用:wikipedia
高度な知識が求められる職業、例えば、医師や司法書士、行政書士、税理士…たくさんありますが、それらは、資格を取得して初めてその職に就くことができますよね。これを業務独占資格といいます。
一方、IT業界は、無資格でも仕事が出来てしまう世界です。
資格がなくても、実力があれば食っていけるのです。
それだけに、必要性が見いだせず、資格取得はしない方も多くいます。
資格取得のメリット
資格がなくても仕事はできますが、資格を持っている方が良いことがたくさんあります。例えば…
客観的なスキルの証明ができる。
一般論では、転職に有利とされますし、社内の新規プロジェクトにアサインされたりします。
知識を体系的に学べる。
業務の中でいろいろな知識を得られますが、基礎が抜け落ちている場合があるので、そこを補え、ベースがしっかり固められます。(通信プログラムが作れるけど、IPアドレスを正しく説明できない、という方も過去にいました)
多くの場合、会社から報奨金が支給される。
額はピンキリです。報奨金ではなく、基本給UPという会社もあるそうです。私の会社は、報奨金制度のみです。
いいことが多いですよね。それなら、誰しもみずから資格取得に向かっていくはずですが、そうでない人は一定数います。おそらくですが、コストパフォーマンスが悪いことがその理由なのではないでしょうか。
費やす勉強時間に対して、得られるメリットが相対的に小さい、と考えるのだと思います。
それでも資格取得をおすすめする理由
それでも私は資格取得をおすすめします。理由は4つ。
・自分のスキルに満足していない方へ。
資格取得することで、公的にスキル認められるので自己肯定感が大変高まります。これはモチベーションの燃料(ガソリン)となります。自信がない人は、自信をつけるために資格取得してみては。
・就職、転職、再就職を視野に入れている方へ。
例えば、自分の会社が倒産したら、あなたはどうしますか?
おそらく同業他社への就職を目指す人が多いはず。そんな時、あなたの名刺となるのが保有資格です。就職活動の際、職務経歴書を作成することになります。
心情的には、控えめに記載する人が多いそう。保有資格は盛る必要がありません。純粋にあなたの市場価値を相手に伝えることができる。
経験豊富なベテランの方でも、自信がついてきた中堅の人も、伸びしろが大きい若い人も、1からのスタートとなります。
そんな時、自分の傍で支えとなるのが、資格です。新しい顧客、新しい現場でのお手並み拝見の視線に耐えられますか?そんなものに負けてやることはないんです。
・昇進・昇給を目指す方へ。
会社の社規に記載がある昇進、昇給のロジックを理解すると、シンプルに条件を満たす必要があると分かります。
資格取得の意味が分からず、モチベーションがあがらない方は、ドライに昇進・昇給のためと割り切って、場合によっては”作業”として資格取得を目指すのがよいでしょう。
立派な動機なんて不要です。
・全ての悩めるITエンジニアへ。
ITエンジニアなら日々、感じることがあると思います。今の時代、技術の進歩や短納期化、高機能化がエグくないですか?
資格を取得したほうが良いと考えるのは、世の中の発展に対して、自分の成長曲線が横ばいになった途端、自分の市場価値が相対的に下がっていくからです。
これには、注意が必要です。停滞すると、本当に居場所がなくなります。ゆでガエル現象です。
AIって何?クラウドって何?DXって何?
今はまだ、これらのテクノロジーを理解している人は、一般的には少ないかもしれません。しかし、徐々にデジタルに通じた世代が社会に出てくると、ミドル世代以降は、ポンコツ扱いされてしまうと思います。少なくとも私はそう考えています。
資格取得の学習を行うと、IT教養が効率的に学べるので、これはおすすめしたいです。
資格不要論について
いかに会社といえど、資格取得を強要することはできません。ハラスメントになります。なので、この話題に関しては、慎重に対応するよう気を付けています。
資格取得をネット上でよく、IT資格の資格不要論を目にすることがあります。資格不要と考える方の考えをまとめると、おおむね、下記の点が多いです。
- 食っていくのに困っていない。
- ワークライフバランスが最優先。
- 出世欲なし。
この3点は本質は同じところにある気がします。
ワークライフバランス優先の方は、趣味を非常に大切にしていて、休みの日は必ずゴルフをするし、平日の残業も断る。資格がなくても、実力はある人が多いです。
資格を取らないの?と聞いてみたら、金は生活するには十分あるので、出世なんてしないでよい。それよりも趣味が大切。と話していました。
金銭的に裕福な人も多く、子供がいない夫婦であったり、独身であったり、実家暮らしであったり。そういった方に資格取得について意見を聞くと、帰宅後は「YouTube」や「ゲーム」、「パートナーと過ごす」ので資格取得に費やす時間はない、それらが何より大切、ということでした。
話を聞いた人の中にはいませんでしたが「家族との時間が最優先」という方もいるでしょう。
誤解のないようにしたいのですが、これらは、自分の信念に従って決断している点で素晴らしいと思っています。中途半端なスタンスで、家族やパートナーと過ごしながら、「勉強しないとな…」と気もそぞろだったら、一緒にいる人も嫌でしょう。
趣味の時間を削って、しぶしぶ勉強して、仕事のパフォーマンスが落ち、メンタルが不調になっても困ります。
信念がある方は人の影響を受けにくいので、私も部下がそういったタイプであったなら、無理強いはしないようにしています。
ただ、情報提供という意味で、下記のことはお伝えするようにしています。
・今、お金に困っていないのはたまたま。会社の業績次第では、仕事内容がガラリと変わり、これまで積み上げてきた経験が生かせなくなるかも。将来に備え、スキルは磨いておいて損はない。 ・ITエンジニアはプロなので、対顧客からの見え方も考え、自己投資しないと、顧客の期待に応え続けることができない。 ・その他大勢の中に埋もれた時の"現状維持"ほど脆いものはない。本当に、今に満足しているなら、その現状を守るための努力は必要。出世欲がないということは周りの人間が出世していくということ。自分の居場所を守るという方向性で頑張ってほしい。
まとめ
私の結論はこうです。
“資格取得は結局のところ、目的ではなく手段。どうなりたいかのビジョンに近づくために必要なら、資格取得は手っ取り早い。”
資格を取得するよう全方位から要求されている人は、資格取得をする必然性がないとか、目的がないのかもしれません。目的を見出すと、同じ苦労でも感じ方がきっと変わります。
IT資格がどんなものかを表現するのに、以下のツイートに共感できたので、載せておきますね。
マネージャー界隈でよく聞く話ですが、「手段が目的になっている」というのはあると思います。
上記のツイートにもあるように、実力を証明する手段、なんですよね。
私は、自分のスキルに自信が持てないITエンジニアです。
そのため、自分の市場価値を高めることを最大の目的として、いろいろな活動をしています。市場価値を高める手段として効果的だから、資格の勉強をするのです。
本記事を読んでくださった方で、資格取得にモヤモヤしている方は、頑張る価値がある”目的”が見いだせるか、自分に向き合ってみてください。何かよいものが見いだせたら、ぜひ資格取得を検討してみてください。
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